『ゴースト / ニューヨークの幻』ジェリー・ザッカー

成仏できない男と霊媒師が活躍するファンタジー

ゴースト/ニューヨークの幻

《公開年》1990《制作国》アメリカ
《あらすじ》銀行員のサム(パトリック・スウェイジ)は、恋人のモリー(デミ・ムーア)と共同生活を始めるが、暴漢に襲われ撃ち殺されてしまう。
しかし、サムの魂は天国には行かず、彼女を見守ることになるが、声も手も出せない。
ある日、自分を殺した男ウィリーを目撃し、詐欺まがいの霊媒師オダ・メイ(ウーピー・ゴールドバーグ)がサムの言葉に反応したことから、彼女を介して現世との交流を試みる。
そして地下鉄で出会ったゴースト仲間から、気力で現世の物体を動かす方法を伝授してもらう。
最初は信じなかったモリーが、サムの霊の存在を信じるようになり、意外な事実が判明していく。
サムの同僚で親友のカールが、不当な金を正当な金に換えるマネーロンダリングに関わっていて、それにサムが気付いたと思って、ウィリーにサムを襲わせ、その結果サムが殺されてしまったというものだった。
サムはカールの秘密口座を突き止め、オダ・メイの手を借りてその口座を解約し、不正の400万ドルを引き出してしまう。
金を取り戻すべくカールとウィリーは、オダ・メイとモリーを追うが、姿の見えないサムの反撃にあい、二人とも死んでしまう。
これでモリーを守るという使命が終わり、サムはモリーに愛を告げ、天国に昇っていってエンド。



《感想》ロマンス、コメディ、ファンタジー、ホラー、いくつかの要素を絶妙なバランスで、テンポ良く展開させている。
恋愛映画として見ればややベタと言えなくもないが、ファンタジーの扱いが絶妙で、キャラ設定もうまい。
良く出来た脚本に、巧みな演出によるものと言える。
特に霊媒師オダ・メイと地下鉄の先輩ゴースト(ヴィンセント・スキャヴェリ)は出色の出来で、ヒロインのデミ・ムーアもボーイッシュでチャーミング(ヘプバーン+ホラン千秋?)な魅力に溢れている。
数あるファンタジー・ラブコメの中でも傑作に入るが、やや切なさやウェット感は薄く感じる。それは主人公が霊であることに加え、主人公より脇キャラの個性が強すぎたためか。
アカデミー助演女優賞(ウーピー・ゴールドバーグ)と脚本賞(ブルース・ジョエル・ルービン)を受賞している。

※他作品には、右の「タイトル50音索引」「年代別分類」からお入りください。

投稿者: むさじー

映画レビューのモットーは温故知新、共感第一、良品発掘。そして、世間の評価に関係なく私が心動かされた映画だけ、それがこだわりです。やや深読みや謎解きに傾いている点はご容赦ください。 映画は広くて深い世界、未だに出会いがあり発見があります。「いやぁ~映画って本当にいいものだ」としみじみ思います。