『続・深夜食堂』松岡錠司 2016

家族の出来事に食を絡めた人情話

《あらすじ》第1作と同様にオムニバスの三話構成。マスターは小林薫。
≪焼肉定食≫出版社に勤める赤塚範子(河合青葉)は嫌なことがあると喪服で出歩き、店で焼肉定食を食べる。
担当する作家が亡くなり、葬儀で石田(佐藤浩市)と出会い、交際が始まるが、ある日突然、石田が香典泥棒であることを警察から知らされる。
失意からまた喪服で出歩くようになったが、そこへ祖父の訃報が入り、帰郷する。
久しぶりに食堂に現れた範子は男連れで、祖父の葬儀で出会った僧侶と婚約したという。
≪焼うどん≫夫を亡くした蕎麦屋の女将・高木聖子(キムラ緑子)には息子・清太(池松壮亮)がいて店を切り盛りしていたが、清太は焼うどんが好きで、家では食べにくいからと食堂に食べに来ている。
清太にはさおり(小島聖)という恋人がいて、15歳年上のため言い出せずにいたが、偶然、聖子もさおりと知り合い、さおりを励ました。
しかし食堂で三人は顔を合わせ、いざ息子のこととなると結婚反対の立場に豹変する。
食堂に現れた聖子にマスターは、清太が打ったというまずい蕎麦を出す。
「まずい」と言いながら聖子は食べ続けるが、そこへさおりを連れた清太が現れる。
≪豚汁定食≫小川夕起子(渡辺美佐子)という老婆は、福岡から上京し、息子のためにオレオレ詐欺にあってしまう。
心配する警察官の小暮(オダギリジョー)に食堂に連れてこられ、常連のみちる(多部未華子)の部屋で一緒に生活するようになる。
夕起子は息子の住所も電話番号も知らなかったが、上京した義弟の口から、かつて夕起子は愛人と駆け落ちしていて、前夫との息子を捨てた過去があることを聞く。
義弟と帰郷する前日、二人を会わせてあげたいと思った小暮は、息子宅の前までタクシーに乗せて、路上まで出てきた息子家族を夕起子に見せてあげた。
最後に店に来た夕起子は豚汁定食を注文した。息子の好物だった豚汁は、捨てて以来食べていなかったと打ち明け、美味しそうに食べた。

《感想》大人の雰囲気を持った人情ドラマで、前作より三話のつながりがいい。
ほのぼのとして、特に大きな事件はなく、何となく切なさと温かさの余韻が残る。
傑作、名作というような大仰なものでなく、このさりげなさがいい。
そして役者が揃うとフツーのドラマも、それ以上になる。

※他作品には、右の「タイトル50音索引」「年代別分類」からお入りください。

投稿者: むさじー

名画座通いの昔からネット配信の現代まで、温故知新、共感第一、ジャンル無節操をモットーに選んでいます。 何度も、観る度に感動する映画は大切ですが、二度と観たくない衝撃に出会うのも楽しみです。

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