『ジェイン・オースティンの読書会』ロビン・スウィコード

読書会で自分探し、恋愛の機微に気付く

ジェイン・オースティンの読書会

《公開年》2007《制作国》アメリカ
《あらすじ》オースティンの小説を素材に、女5人、男1人が、座長持ち回りで月1回の読書会を開くことになる。
1)最年長の主催者は結婚歴6回で、人生の酸いも甘いも噛分けた感のある気楽な独り者バーナデット(キャシー・ベイカー)。
2)その友人で長年一緒だった愛犬を亡くし、失意に暮れるジョスリン(マリア・ベロ)。
3)ジョスリンの古くからの友人で、夫に恋人ができて別れを切り出され、落ち込んでいるシルヴィア(エイミー・ブレネマン)。
4)その娘で、恋にまっしぐらの多感な女の子、レズビアンのアレグラ(マギー・グレイス)。
5)夫と趣味が合わず教え子にときめいている高校教師プルーディ(エミリー・ブラント)。
6)姉二人に揉まれて育ち、女性に対して消極的な黒一点の青年グリッグ(ヒュー・ダンシー)。
各々の家で、時には海辺でオースティンを語り、おしゃべりが続き、その半年の間で、彼女たちの人生が色づき、絡み合い、思わぬ方向に展開していく。
本当の自分を探し、自分にとっての真の幸福に気付いていく。
1)バーナデットは7回目の結婚をする。
恋愛に臆病な2)ジョスリンと6)グリッグは結ばれる。
3)シルヴィアと5)プルーディは夫とヨリを戻す。
4)アレグラは、事故で入院した先の女性医師と同性愛の関係になる。
個性が強くて周囲と衝突しがちな人たちが、いろんな問題を抱えて悩み、月1回の読書会に出席しているうち、絡んだ意図がほぐれていき、ハッピーエンドを迎えるという話。



《感想》最初は6人のゴチャゴチャした問題に辛抱を強いられるが、次第に、どうなるのか?と引き込まれていく。
結末から見ると、無難なところに納まったという気がするが、「恋愛・人生の指南書」なのだから、これも納得。
オースティンの作品はこれまで幾度も映画化されているが、本作は原作ものでなく、作品をネタにしたオースティンつながりの人たちの人生模様を描いたもの。
取り上げた作品は長編の6作全てで、6人の登場者と絡ませた群像劇の形をとり、人生いろいろのドラマ、恋愛の機微を描くことに成功している。
地味だがハッタリのない良作。

※他作品には、右の「タイトル50音索引」「年代別分類」からお入りください。

投稿者: むさじー

映画レビューのモットーは温故知新、共感第一、良品発掘。映画は広くて深い世界、未だに出会いがあり発見があり、そこに喜びがあります。鑑賞はWOWOWとU-NEXTが中心です。高齢者よ来たれ、映画の世界へ!