『ブラッド・ダイヤモンド』エドワード・ズウィック

埋蔵ダイヤを巡る紛争、その裏の攻防を暴く

《公開年》2006《制作国》アメリカ
《あらすじ》内戦が続くシェラレオネ共和国で1999年、反政府勢力のRUF(革命統一戦線)に捕まった漁師のソロモン(ジャイモン・フンスー)は、ダイヤモンド採掘場での強制労働中、大粒ダイヤを発見するが、政府軍の攻撃を受け逮捕されて留置場へ連行される。
ローデシア出身の元白人傭兵のアーチャー(レオナルド・ディカプリオ)はRUFに武器を調達し、交換にダイヤを受け取り、それを密輸しようとした途中、政府軍に逮捕される。留置場でソロモンとRUF大尉のやり取りを聞いたアーチャーは、ソロモンが見つけたという大粒ダイヤを手に入れようと、自分が釈放された後、ソロモンを釈放させ接触を図る。
紛争ダイヤの密輸の実態を追うジャーナリスト・マディ(ジェニファー・コネリー)と知り合ったアーチャーは、マディの協力でソロモンを離散した家族に引き合わせることができたが、息子ディアがRUFに拉致されたことを知る。麻薬付けにされた少年兵に育てられていた。
取材陣に紛れて採掘場近くまで移動中、アーチャーは元上官だった民間軍事会社のコッツィー大佐の部隊に合流するが、大佐は政府軍の要請でRUFへの攻撃の任務を負う一方で、ソロモンのダイヤを狙っていた。アーチャーとコッツィーはダイヤを求めて、ソロモンは息子を助けようと採掘場に向かい、ダイヤを掘り出したところで今度はアーチャーとコッツィーの対決になり、コッツィーを倒すもアーチャーは傷を負ってしまう。
動けなくなったアーチャーは、ダイヤをソロモンに渡して、ソロモン親子を逃して追っ手に銃を向ける。マディに電話をかけ、ソロモンを助けて欲しい、そして別れを告げて息絶える。ソロモンとマディはロンドンで再会し、マディの書いたブラッド・ダイヤモンドの記事が大きな反響を呼び、ダイヤの売買を阻止する法案が作られた。

《感想》政府軍とRUFの対立に、民間軍事会社や密輸人が加わり、各々の陰謀がうごめいて物語が展開する。紛争ダイヤの現実問題に言及しているため、米国務省から批判されたという。それくらいドキュメンタリータッチで、この映画で初めてダイヤを巡る紛争の事実を知る人は多いに違いない。
そしてこの映画の素晴らしさは、アクション・サスペンス映画の面白さを失っていないこと。ご都合主義が見え隠れするが、リアリティを失う少し手前で自制する、そのバランス感覚が絶妙である。
「生まれながらの悪はいないかも知れないが、人間は“ただの人間”。状況によっては善にも悪にもなる」とアーチャーに言わせている。悪行を働いていながら善人として死んでいった男の心の裏側なのだろう。
家族愛一筋の漁師を演じたジャイモン・フンスー、知的で美しい敏腕ジャーナリスト役のジェニファー・コネリーも好演している。

※他作品には、右の「タイトル50音索引」「年代別分類」からお入りください。

投稿者: むさじー

名画座通いの昔からネット配信の現代まで、温故知新、共感第一、ジャンル無節操をモットーに選んでいます。 何度も、観る度に感動する映画は大切ですが、二度と観たくない衝撃に出会うのも楽しみです。

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