『フェイス / オフ』ジョン・ウー 

凶悪犯と捜査官が顔を入れ替えて戦う奇想天外アクション映画

《公開年》1997 《制作国》アメリカ
《あらすじ》FBI捜査官ショーン・アーチャー(ジョン・トラヴォルタ)は、凶悪なテロリスト、キャスター・トロイ(ニコラス・ケイジ)に6年前、幼い息子マイケルを殺された過去を持ち、空港での大捕り物の末キャスターを逮捕するが、
彼らはそれ以前にロス市街地を壊滅させるほどの時限式細菌兵器爆弾を仕掛けていた。植物人間になったキャスターと、逮捕した彼の弟ポラックス以外には爆弾のありかを知らない。
焦るショーンに、キャスターの顔の皮膚を移植してポラックスに接近させよという極秘命令が下る。手術を受け刑務所に送り込まれたショーンだったが、一方でキャスターが奇跡的に意識を回復し、ショーンの顔を自分に移植させ、秘密を知る者を皆殺しにしてショーンに成りすましてしまう。
キャスター(顔はショーン)は弟ポラックスを釈放して、自ら爆弾を解除して一躍ヒーローになり、妻と娘のいる家庭に入っていく。一方のショーン(顔はキャスター)は自分の素性を知る者がなく、焦りと怒りで刑務所を脱獄し、キャスターの恋人サシャと幼い息子アダムに接近するが、そこをキャスター率いるかつての部下たちが急襲して激しい銃撃戦になる。追われるショーンと追うキャスターだったが、ショーンはかつての我が家に忍び込み、怯える妻に二人だけが知る思い出を語り、女医である彼女に血液型を鑑定させて自分こそ本物の夫なのだと納得させた。
そして海辺の教会、二人の最後の戦いがが始まり、戦いの中、サシャはアダムをショーンに託して死ぬ。モーターボートの大追跡や死闘の末、ショーンはキャスターを倒した。かくして手術を受け自分の顔を取り戻したショーンは、キャスターの遺児アダムを連れて、愛する妻子の待つ我が家へ帰った。

《感想》凶悪犯とFBI捜査官がお互いの顔を入れ替えて戦うという荒唐無稽とも思われる設定と、ド派手な銃撃戦を主軸にしながら単なるアクション大作を超えて、家族あるいは男女間の愛憎のドラマにもなっている。
夫や父親の豹変ぶりに戸惑いながらも受け入れる母娘、恋人の帰りに「二人の間の子」を会わせる女性、そして憎む相手の子どもを遺児として受け入れる家族……この辺の描き方が「バイオレンスの詩人」のゆえんか。
そして主役二人の迫真の演技、悪人と善人の顔が入れ替わるという奇抜な設定なので、顔と気持ち(心)のズレが表れるわけだが、その演じ分けが絶妙である。
あまりツッコミを入れずにワクワクを楽しむ、そんな傑作映画。

※他作品には、右の「タイトル50音索引」「年代別分類」からお入りください。

投稿者: むさじー

名画座通いの昔からネット配信の現代まで、温故知新、共感第一、ジャンル無節操をモットーに選んでいます。 何度も、観る度に感動する映画は大切ですが、二度と観たくない衝撃に出会うのも楽しみです。

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